これからはじめるCFD
BOY'S GAME

  • 登場人物が多いので、簡単な人物紹介ウィンドウを用意してみました。⇒ぽちっとな

    陰謀
    「京介、何やってるわけ?」

    放課後、部室の戸から顔だけ出してキョロキョロと周りを見渡す京介の姿を
    半ば呆れたように見て軽くため息をついた。

    「何って、キャプテン探してるんだよ。今日はなるべく会わないようにしようと思ってさ。」
    「そんなの無理に決まってるだろ。後で召集かかるんだから。」
    「いーや俺はやってみせるぜ!いくぞ!!」

    そう意気込んで京介は部室を出た。
    しかしその途端

    「おー!京介、やっと見つけたぜ。」

    速攻で見つかってしまった。
    キャプテン、もとい相模森吾は何かを企んでいるような笑みを浮かべていた。

    「いや〜キャプテン、今日は一段と良い天気っすよね?」
    「お前はこの空模様を見て良い天気だと言えるぐらいバカだったのか?」

    現在の空模様は曇り。今にも雨が降り出しそうだ。
    誰がどう見ても“良い天気”と思えるような状態ではない。

    「(な、なあ駿〜なんとかしてくれよ〜。)」
    「(知るか。自分で蒔いた種だろ、自力で乗り切れ。)」

    相棒に助けを求めるが冷たい返事。

    「さて京介。今日朝練来なかったよな?」
    「……ですね。」
    「話は駿から聞いてるよな?」
    「……うっス。」
    「アレなくしてやってもいいぞ。」
    「……っ?!」

    今のは自分の聞き間違いだろうか?
    有り得ない。そう、そんなことを相模が言うはずはなかった。
    京介は混乱し、我が耳を疑った。
    部活に10分遅刻するごとに腕立て・腹筋・背筋50回ずつを課すあのキャプテンがっ!
    でも自分の遅刻は全員に見て見ぬフリをさせてなかったことにするあのキャプテンが!!
    あんな優しいセリフを言うなんて、世界中のお年寄りが道端で一斉にバック転を始めるぐらい有り得るはずがなかった。

    「だからさ、プラス30周なくしてやってもいいって言ったんだ。」

    ニカッ、と爽やかスマイルを向ける相模。
    聞き間違いではなかった。たしかに彼は“プラス30周なくしてやってもいい” そう言ったのだ。

    「(おかしい……おかしすぎるって今日のキャプテン。あのスマイルの裏にはぜってー何かある!)」

    いつもの相模らしくない発言に疑いまくりの京介。
    今回は珍しく何か直感が働いたようである。
    もう、誰かが『昨日ピンクのイルカが浜辺で新体操の練習をしてたんだって!』と言ってたのを聞いた時以上の疑いっぷりである。

    「そのかわりと言っちゃーなんだけど……」
    「(ほれ来た!)」
    「京介、お前生徒会役員に立候補しろ。」

    「「(イキナリ何を言い出すんだコノヒトは。)」」

    相模の思わぬ発言に京介と駿の思考回路はしばしストップした。

    「なんだ?どうした?」
    「い、一体何を考えてるんですか!?」

    先に復活したのは駿であった。

    「別に深くは考えてねーけどな。 たださ、生徒会役員がいる部活は部費が削減されなくて済むんだよな。色々あってさ。」

    相模はしれっと述べた。

    「(それって職権乱用っていうんじゃないの?)」
    「(珍しく難しい言葉使ってるじゃねーか。)」
    「(……。そういえばキャプテン生徒会長だったっけ。)」
    「(今はそんなことよりもっと重要な問題があるだろ。)」

    「俺は大反対です。」

    駿は本人より先に反論した

    「なんかモンダイでもあるのか?」
    「問題もなにも大モンダイじゃないっすか! コイツを生徒会なんかに野放しにしておくなんて危険極まりないです! しかもわざわざ京介を指名するなんて、一体どうしたんスか?!」

    「(それはどういう意味なんだろうか、駿さん。)」

    自分に助け舟を出してくれてるのだろうがどうにもこうにも複雑な心境である。

    「いや、京介は結構知名度高いしな。それにどこの学年でも好感度良いし。 まぁ駿が言うように問題も少なくないけど、それに関しては対策はちゃーんと考えてあるサ。」
    「何か秘策でも?」
    「駿が一緒に出馬すればモンダイないじゃねーか。お前も知名度・好感度高いし。」

    な?これで問題解決サ☆、と相模はポンっと駿の肩を軽く叩いた。
    その瞬間、駿は目の前が真っ白になった。

    その日の練習どこからともなく京介の頭目掛けてボールが数本飛んで来たそうな。
    蹴っていたのは、勿論……。



    その一ヶ月後選挙を経て第42期生徒会役員が決定した




    会長、宮川眞輝
    『テーマは“東堂学園革命”。
    色々と学校生活に関係してることとか変えていきたいことがたくさんある。 今のままの学校もそこそこ悪く無いんだけど、俺だったらもっと良くすることが出来る。 だから学校生活をもっと潤したいと思ったらまず俺に1票、ヨロシク。』

    副会長、小上京介
    『俺のテーマは“俺”。
    なんていうかさ、とりあえず俺らしくいこうかな〜なんて思ってマス。 以上。』

    書記、葵 駿
    『どっかのだれかのせいで立候補するハメになったわけだけど、やるからにはマジでやるんでよろしく。で、テーマは“人間適度にいくべきだと思った”です。 まあ、人間気張りすぎもよくないかなってさ。』

    会計、上原海斗
    『“価値観”っていうのが俺のテーマなんだけど、人間の持ってる価値観って多種多様だから、 その様々な価値観にも見合うような学校作りに少しでも貢献できればいいかな。』



    ――――――― 第42期生徒会ここに発足


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    発足ついでに補足(笑)

    東堂の生徒会選挙では、役職を選べません!
    適当に演説をして、得票数の多い順番から
    会長→副会長→書記→会計
    となるのです。
    4人じゃ人手が足りないのかもしれませんけど、
    他の委員会を上手く利用するでしょう。

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